42日目_バルセロナ
昨日の夜は本当にひどかった。
夜行バスにでも乗るのか何人も夜中、しかもバラバラの時間にスーツケースを転がして出て行くので終始うるさく寝付けなかった。
同じく眠れないのか、夜中2時頃には下段ベッドの人がラップを聴きだした。
イヤホンなしで。
そんなに大きい音ではないがシャカシャカとうるさい。
本当に勘弁してほしい。
6人部屋なのに自己中すぎるだろう。
うるさいと言おうか迷っていたらイビキが聞こえ出す。
シャカシャカ音を残してさっさと眠りに落ちたらしい。腹立たしい。
ベッド上段から下段を覗き込みしばらく恨めしい視線を送っていたが、諦めてシャカシャカ音を音楽で搔き消す戦法を取ることにする。
眠ってしまった人を起こすのは気がひける。
イヤホンでサティを永遠と思われるくらい長い時間聴いていたらようやく眠れたが、おかげで寝不足である。
今夜はぐっすり眠りたいものである。
今日は朝から活動する。
朝食はバナナ2本と牛乳で非常に健康的である。
11時ごろに宿を出て、地元民が通うらしいチュロス屋を目指す。
途中薬局を見つけたのでトローチを買う。
今日の朝も喉が痛かったので。
舐めたらだいぶ痛みがやわらいだ。
ただどのくらいの間隔あけて舐めるべきなのか、1日の限度量などが分からない。
30分くらい歩いて、お目当てのチュロス屋CHURRERÍA LAYETANAに着く。
バルセロナ、何回も同じ道を歩いているはずなのだが全然道を覚えられない。
どの道も同じに見える。
チュロス屋には行列が出来ていた。
雨がぱらついていたので本当は店内で食べたかったが、列が長いので諦めてテイクアウトにする。
ポラスという太いチュロスと普通のチュロスとで半々にしてもらった。ホットチョコレート付きで3.7ユーロ。
これを
こう。
揚げたてで美味しい。
チュロスはサクサク、
ポラスは中華粥に入れる揚げパンみたいな食感だ。
ふかふかしている。
ホットチョコレートはあんまり甘くない。
ココアくらいの甘さ。
あっという間に食べ終わってしまった。
だろうなと思ってはいたが、チョコレートが大量に余った。
勿体無いので飲み干した。
カロリーの過剰摂取。
14時からピカソ美術館の予約をしているが、まだ12時過ぎ。
チュロス屋でゆっくりするつもりで早めに出てきたがテイクアウトにしてしまったため、思いの外すぐに終わってしまった。
あんまり暇つぶしのネタを考えてなかったため、時間が余ったらなにしようと思いつつ、とりあえず次に行く予定のSabater Hermanosに向かう。
バルセロナで有名な石鹸屋らしい。
向かっていると、荘厳な教会があった。
サンタ・エウラリア大聖堂というらしい。
思わず立ち止まって写真を撮る。
門の前に係員が立っており、中には入れない雰囲気である。
予約がいるんだろうか。
大聖堂の前では蚤の市が開かれていた。
大道芸人や踊る人々もおり、大変賑わっている。
ここで暇つぶしできそうだ。あとで戻ってこようとさらっと流し見して、目的の石鹸屋へ。
辿り着いたSabater Hermanosは大聖堂の裏路地にあり思ったより規模が小さかった。
匂いがよさげな石鹸をいくつか見繕って買う。
お土産にしようと思う。
カードが使えないとネットに書いてあった気がしたが普通に使えたのでよかった。
石鹸を手に入れ、蚤の市まで戻る。
アンティーク市のようで、古い切手・小銭・レコード・勲章・ハットピン・アクセサリー・アンティーク時計・骨董など売られている。
怪しげな、個人的に1番テンションが上がるタイプの蚤の市だ。
シュールな木彫り像
レコードも多い。
でも状態の割にそんなに安くない。
盤は綺麗なのかもしれないが、ジャケが汚い。
大体10〜50ユーロのレンジで売られている感じ。
日本の蚤の市だと全然知らないバンドのレコードがたたき売りされており、あってもビートルズという感じであまり面白くないが、ここではメジャーどころのバンドのレコードを売っている。
キンクス、フー、シュプリームス、ディラン、CSN、ストーンズ、トーキング・ヘッズ、ジザメリなど売っている。
プログレのレコードがやたら多く、ヨーロッパならではなのかなと思った。
ピンク・フロイド、ゴング、イエス、ELP、キング・クリムゾン、ロバート・フリップ、ジェスロ・タルなど売っていた。
残念ながらジェントル・ジャイアントはなかった。
なぜか日本盤もあったりした。
トゥモローがあったが、高いので買わず。
あとラヴィシャンカールファミリーのレコードがあり、興味をそそられたが持ち帰ることを考えて買うのをやめた。
バックパッカーはバックパックに入る物以外は買えないのである。
レコードをひとしきり見て、アンティーク時計がないか見て回る。
結構前からアンティーク時計が欲しいと思っているが、なかなかいいものに巡り合わない。
そもそも日本ではあまり売ってない。
しかし、ここならありそうである。
見ていると色々な誘惑がある。
一昔前の私なら勲章やハットピンを山ほど買って帰っていただろうが少し大人になったので今回は買わないように頑張った。
端っこの屋台を見ていると、いい感じのアンティーク時計が。
でも、見た感じ動いていない。
ジャンク品かなと思いつつ、動くか店主のマダムに聞いてみるとなんと動くとのこと。
アンティーク時計だから定期的に手で巻いてあげないと止まってしまうと説明しながら、時計横のネジを巻くマダム。
確かに動き出す時計。
デザインと手巻きという仕組みがとても気に入り買うことにする。
一体いくらなのか、そもそも買える値段なのかと思いながらマダムに値段を聞くとなんと40ユーロとのこと。
えっ、アンティークなのにそんな安いもんなのかと内心思ったが、蚤の市では値切るに限る。
ダメ元で25ユーロにならないか聞いてみる。
30ユーロでどうかとマダム。
28ユーロにならないかとさらに値切る私。
すると、28ユーロでオッケーとのこと。
交渉成立。
相場が不明なので、お得かどうかは分からないが、こんなに素敵な時計がこの値段で買えて大変満足だ。
スイス製。ORISの手巻き時計。
そうこうしていると、14時近くになった。
ピカソ美術館へ向かう。
こんなところにあるのかという裏通りにあった。
中に入って展示を見るが、ピカソに詳しくない上にガイドもつけていないのでさっぱりよく分からなかったが、初めはキュピズムではなかったのだなということは分かった。
最後あたりの展示の絵は少しかわいいななどと思ってしまった。
ピカソ美術館を見終わり、疲れたので宿に戻ることに。
途中で雑貨屋があったので立ち寄り、指輪を買う。
店主の娘さんが作ったんだそうだ。
少しゆるいが時計によく似合うなと思って買ってしまった。
22ユーロ。
石を使っている指輪にしては安い方ではないだろうか。
今日は良い買い物ができて大変満足である。
明日はカサ・バトリョの予約をしている。
ガウディにようやく触れる。